シルクコットン 〜Silk & Cotton〜

column

こんにちは。ニットブランド「AND WOOL:アンドウール」と申します。連載「やさしいニットに仕上がる理由」では、素材から製品開発、製造現場まで、私たちの作るニットの背景にあるストーリーをお届けしています。

今日は、私たちが今年の春夏に向けた製品として、工場の職人さんたちと開発に取り組んだ「シルクコットン」素材のニットのお話をしたいと思います。

 

●「シルクコットン」ってどんな素材?

今回、私たちが使用した素材は「シルクコットン」の糸です。シルクが20%、コットンが80%。シルクが入っていることで、コットン100%に比べて、自然な光沢感がありしっとりした感じが出るので、着ていてとても気持ちのいいニット製品に仕上げることができます。

 

●「シルクコットン」にたどり着くまで

昨年末くらいから、「春夏にも楽しんでいただけるニット製品を作りたい」という話が、私たちの間で度々出ることがありました。早速、暑い季節でも心地よく着ることができて、さらに冷房対策にもなるような「サマーニット」を作る挑戦が始まりました。

私たちが「シルクコットン」の糸にたどり着くまでには、他にも候補になったさまざまな糸がありました。その中で、「シルクコットン」素材に決めた理由は3つあります。

1つ目は、先程ご紹介したように「暑くても気持ちよく着ることができる肌触り」を実現できること。2つ目は、汗ばむ季節に愛用してもらえるように「自宅での洗濯がしやすい」こと。3つ目は、できる限り素材のルーツがわかる「国内で生産されていて、国内での染色が可能な糸」を使うこと。

肌触り、お手入れ、ルーツ、さらにコスト面を考えたときに、最もバランスがよく、ベストな糸が「シルクコットン」でした。

 

●「シルクコットン」のニットのデザインについて

私たち「AND WOOL」は、ファッションデザイナーの村松啓市が立ち上げたニット専門のブランドです。子供からお年寄りまで男女問わず、「幅広い人にニットの素晴らしさを伝えたい」という想いからスタートしています。

そのため「AND WOOL」では、ベーシックでクラッシックなデザインを心がけていて、今回の「シルクコットン」のニットについても、その点を意識して作っています。

アイテムは、プルオーバーとカーディガンにしました。アンサンブルで着られるようにすることで、上品な着こなしが可能になり、カジュアルだけでなく仕事着としてもコーディネートしやすいので、重宝してもらえるようにと考えました。

さらに、あくまでもベーシックでクラッシックなデザインにしつつ、私たちらしさも出していきたい。そんな想いから、裾の部分をよく見ていただくとわかると思いますが、リブ編みをケーブル模様編みにしています。手間のかかる工程なので、あまり見かけないデザインだと思います。

これは、一見ベーシックなアイテムにデザインを入れる「装飾性」と、こうすることでリブ編みよりも締め付けすぎない程良い伸縮を出す「機能性」の両面を考慮して作りました。

「AND WOOL」らしいデザインに仕上げることができました。

 

●初めての工場とのコラボレーション商品

私たち「AND WOOL」はこれまで、「手編み機」によって手仕事で1枚1枚仕上げる製品の制作を中心に行ってきました。しかし一方で、日本にはとても高い技術をもった工場や現場の職人さんたちがいて、そこでしか作ることができない上質なニット製品があることも知っていました。

いつか、そんな工場の職人さんたちと協力して、高品質なニット製品の制作をしたいと考えていました。

今回の「シルクコットン」のニットは、福島県にある工場「木幡メリヤス」の職人さんたちと一緒に作り上げました。こちらの工場さんとの出会いがなければ、生まれなかった製品です。

どうすれば私たちのやりたいことが実現できるかを一緒に考えてくれて、様々な提案をしてくれました。私たちからもアイデアを出しながら、お互いの知識や技術を高め合うことができる、最高のパートナーシップで「ものづくり」ができました。

情熱をもって私たちの想いに応えてくれた職人さんたちに、感謝の気持ちでいっぱいです。

今回の製品をきっかけに、より多くの方に私たちのニットを手にとっていただけるようになればと思っています。

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